65歳になると年金生活者になりますが、それだけで暮らせる人は非常に少ないのが現状です。
令和4年の家計調査によれば、65歳以上の夫婦無職世帯(年金受給者世帯)の平均的の収支は以下の通りです。
・可処分所得:21万4,426円/月
※可処分所得とは、収入から税金や社会保険料を除いた「使えるお金」を指します。
・消費支出:23万6,696円/月
※消費支出とは、日常生活に必要な商品やサービスの購入にかかった費用を指します。
可処分所得から消費支出を引いた1カ月の収支はマイナス2万2,270円。
この結果から、多くの年金夫婦世帯では年金収入だけで人並みの生活をするのが難しいことがわかります。
参照元:総務省「家 計 調 査 報 告 家計収支編2022年(令和4年)平均結果の概要」(PDF)
したがって、年金だけでは足りない分を何かで補う必要が出てきます。
年金だけでは足りない分を補う方法は色々あるが…
年金だけでは足りない分を補う方法は色々ありますが、ここでは主な方法を4つ挙げます。
- 預貯金
- 投資
- 親族からの相続や贈与
- 年金以外の収入を得る
以上のうち、預貯金と投資は年金生活になると資金の調達が困難になるので、現役のうちから始めておかねばなりません。
また、庶民の多くは贈与や相続による財産分与が期待できない状況です。
そうなると、「年金以外の収入を得る」が大半のシニアにとって有力な選択肢に入ってきます。
小遣い稼ぎレベルの副収入でもシニア世帯の暮らしは少し楽になる
そう聞くと、
「何十年も我慢して働いてきたのにまだ働く必要があるのか…orz」
「月収数万円のために、老骨に鞭打って働くのは虚しい…orz」
と思う方もいるでしょう。
しかし、たとえ小遣い稼ぎレベルの副収入でも、シニア世帯の収入は増えて生活が少し楽になります。
パートなどで働けば毎月確実に副収入が得られますが、どうしても働きたくない人は他の稼ぐ手段を検討してもいいでしょう。
たとえば
- メルカリで家の不用品を売る
- コツコツポイ活する
- モニターで謝礼金や生活に必要な品物をもらう
などの合わせ技は、自由時間が多いシニアにこそ適した稼ぎ方です。うまくいけば、それだけで月に数万円の副収入が期待できます。
それによって、年金収入だけの時よりも暮らしにゆとりが生まれるでしょう。
月数万円の副収入が家計にもたらすプラスの効果は意外と大きい
年金収入が頼りのシニア世帯にとって、月数万円の副収入が家計にもたらすプラスの効果は意外と大きいものです。
例えば、世帯年金受給額20万円の夫婦がが共に月1万円ずつ稼げば、世帯月収は月2万円、年間24万円増えます。
24万円といえば、夫婦で1ヶ月暮らすのに十分な金額です。(ただし贅沢しなければ…ですが)。
また、夫婦それぞれが月2万円、2人で月4万円の副収入があれば、平均的な年金受給夫婦世帯の家計の赤字が黒字に転じ、収入の一部を貯蓄や投資に回すことも可能となります。
そう考えれば、働いて月に数万増える効果が意外と大きいことがおわかりでしょう。
「月数万円の副収入」への足掛かりは65歳前につけておく
年金収入だけでは赤字になるシニア世帯でも、月数万円の副収入があれば少し暮らしが楽になることがおわかりいただけたでしょうか?
ただ、その足掛かりは体力がまだある65歳前につけておいたほうがいいかもしれません。
その理由は以下の通りです。
年を取るほど「新しいこと」への抵抗感が強くなる
これは50代後半の私自身も実感していることですが……年を取るほど新しいことを覚えたり、新しいことへの挑戦することに抵抗を感じるようになります。
「新しいことを覚えるのに抵抗を感じる」理由
率直に言えば「年を取るほど新しいことを覚えるのに時間がかかる」のが大きな理由です。
覚えるのに時間がかかるほど精神的な疲れを強く感じます。その結果、「もう覚えなくてもいいや!」とさじを投げてしまうことも多いのです。
「新しいことへの挑戦に抵抗を感じる」理由
こちらについては、人によって理由が異なるかもしれません。
ただ、多くの人は「今さら新しいことに挑戦して失敗するのが怖い」が大きな理由となっている可能性大です。そこには私自身も含まれます。
若い頃は失敗しても挽回できるだけの時間も体力もあるので、新しいことに挑戦することへのハードルはそれほど高くありませんでした。
しかし、体力の衰えが顕著になり、人生の時間も残り少なくなってきた50代は、失敗を挽回するだけの時間や体力がそれほど残っていません。
その状態で万が一大きな失敗をすれば取り返しがつかない事態となるため、「絶対に失敗は許されない」というプレッシャーが心身に大きくのしかかります。
その結果、「うかつに新しいことに挑戦してはまずい」と考えて新たな挑戦を避けてしまいがちです。
年を取るほど「新しいこと」への抵抗感はより強固になる
残念ながら、年を取るほど「新しいこと」への抵抗感はより強固になります。
アラウンド90の私の親も、先日自らの人生経験をもとにこう言っていました。
「75歳を過ぎるとやる気を出すこと自体が難しくなる」
「新しいことを始めるなら60代前半までにその足掛かりをつけておくことが大事」
人生も末期に差し掛かった大先輩がそう言うのですから、おそらくそれは事実です。
もちろん人によっては90歳を過ぎてもやる気満々の人もいるでしょうが、それも健康な体あってこそです。
多くの高齢者は何らかの病気を抱えており、すでに健康寿命が尽きている方も少なくありません。
その状態で新しいことを始めるのはかなり難しいことですし、万が一大きな失敗をしたらそこで人生がジ・エンドになる恐れもあります。
そんなばくちみたいな挑戦を誰がやりたいと思うでしょうか?
そう考えると、まだ体力があって新しいことへの抵抗感がまだ薄い65歳前に、「副収入を得る」という新たな挑戦を始めた方がいいことは間違いありません。
それによって、体力が衰えても「昔取った杵柄」で数万円を稼ぐことができ、老後のお金の不安を少しでも和らげることができるでしょう。
老後の副収入への足掛かりとしておすすめできることは?
最後に、老後の副収入への足掛かりとしておすすめできることを簡単にご紹介します。
- 低リスクの投資(NISAなど)
- フリマアプリ(メルカリなど)で不用品を売る
- 自分のスキルを活かせる副業への挑戦(ハンドメイド販売・Webライターなど)
- 各種モニターに応募する
- 副業に役立つ資格を取得する
- ボランティアをやってみる
- インスタやブログでの収入獲得に挑戦する
これらの「足掛かり」の中には月にわずかな収入しか得られないものも含まれています。
しかし、長く続ければ収入が大きく増える場合もあります。
また、続けることでその道のプロとして認められたり、新たな収入増につながったりする場合もありますので、自分に合ったものをコツコツ続けてみてはいかがでしょうか。
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