この年でライターを名乗るとは夢にも思わなかった(6)

ゴーストライター シニアのお仕事

今回は駆け出しアラフィフライターが初めて校正・校閲の仕事を手掛けたお話をします。

校正・校閲は記事を執筆する上で大いに役立つスキルです。私的にはそこから得るものが大きかったのでやってよかったと今も思っています。

しかし、校正・校閲は誰にでもできる仕事ではありません。

まず、重箱の隅をつつくような細やかな記事チェックができない人は全く向いていません。私はその点でザルなので早々に向いてないことを感じていました。

また、私のようなドがつく素人に依頼するような校正・校閲案件ってぶっちゃけ報酬が恐ろしく低い搾取案件なんですよね……その後も断続的に校正・校閲の仕事を請けてきましたが、あまりの割の合わなさに今は撤退しています。

校正・校閲は向き不向きが大きい専門スキルです。素人に依頼するような簡単な仕事ではありません。薄利多売のWebメディア界隈ではコスパ重視でその点を蔑ろにしていますが、本来はちゃんとした報酬でその道のプロに依頼するべきだと思っています。

おっと、前置きがだいぶ長くなりました。ではここから前回の続きです。

校正・校閲を始めて気づいたこと

ここのところ、継続して2,000~3,000文字の比較的カジュアルなテーマの案件で校正・校閲の仕事も行っている。だが、その仕事の経験はまだ半年と短く、その仕事については初心者マークだ。

けれども、そんな拙い経験しかない私でも、この仕事が実は多方面にわたりものすごい高いレベルの技術を必要とする専門職であるということがわかってきた。

(もし本職の編集担当者の方がこれをお読みになり、「それは違うよ」ということがあれば、ぜひコメント欄にてお伝えくださいませ)

ライティングよりはるかに高い技術と知識が必要な校正・校閲という仕事

校正・校閲の仕事は主に次のような感じだ。

・言葉の正誤
・漢字の使い分け
・文章表現が適切かどうか
・記事に記載された内容に間違いはないか
・確かな情報を元に記事を書いているか

他にも色々あるが、まあ、この辺で。

上記のようなことをチェックし、訂正すべき箇所をどのように訂正すべきか具体例などを提示した上でフィードバックする。

つまり、日本語能力の高さは言うにおよばず、チェックする記事を熟読して内容を精査し、おかしな箇所をことごとくあぶりだす能力も必要だ。

また、フィードバックで修正依頼を行う際にはその修正依頼の理由を明確にし、どのような形でライターに修正して欲しいかという点もはっきりと分かるように説明する必要がある。

それだけではない。

ライター側から修正依頼に対する質問や反論があった場合にも、うろたえることなくいつでもライターが納得する答えが出せるようにしておかねばならない。そして穏やかな形でやり取りできるように心を配るコミュニケーション能力も必須だ。

そのことから、この仕事はライター以上にいろいろなことに精通していないとできない難しい仕事であると感じている。そしてそれに見合った高い報酬を依頼する側は払うべきだと感じた。

クラウドソーシングで発注される校正案件に疑問を覚えた

そんな難しい校正の仕事だが、クラウドソーシング界隈ではあまり高く評価されていないような気がする。たんなる誤字脱字のチェック程度に考えているクライアントのなんと多いことか。

校正~フィードバックまでの一連の作業、そして修正された記事をチェックし、問題がないと判断するまでの手間と時間は、記事を書く以上のものがある。なのにクラウドソーシング上の案件だと校正の報酬が数百円という案件が多い。

報酬が1,000円を超える場合はワードプレスなどへの入稿込みだったりする。それはもはや校正の仕事ではない。それなら報酬をもっと上げるべきだ。

クライアントは20分で校正出来るというが、それは修正がほとんどない場合。修正すべき点が多い記事の場合はそれでは済まない。

おそらくそういうクライアントは校正の仕事を軽く見ているのだろう。それでワードプレスへの入稿込みで数百円の報酬では良い人材は離れて行ってしまう。

実際、労力の半分にも満たない低い報酬に見切りをつけて私自身も手を引いた仕事は、私よりはるかに優秀な多くの校正担当者も離れて行ってしまっている。

底辺Webライターに過ぎない私が言ったところで全く説得力がないのはわかっているが、Webコンテンツを運営しているクライアントはぜひ校正・校閲という仕事の重要性や、その仕事が高い報酬を払うに値する難しい仕事であるという点についてよく考えてみて欲しいと思う。

長いので一旦切り、次のエントリーで続きを書きたいと思う。では。

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