前回の続き。最近は以前より記事のクオリティや専門性を重視するWebメディアが増えてきた印象ですが、以下に書いたおかしな状態は今もなお続いています。
このころからSEO偏重のWebメディアに疑問を持ち始めた記憶があります。また、書けない素人にも1本たった数百円で掲載前の最後の砦となる校正・校閲を任せていいのか?と思い始めたのもこのころです。
報酬が割に合わなければどうしても仕事が雑になりがちですし、そもそも素人がやっちゃいけない仕事でしょう……ちゃんと校正・校閲のノウハウを学んだ人じゃないと手を出しちゃいけませんよ。絶対。と私は思います。
校正・校閲がまずければ記事掲載メディアもただではすみません。自分がその原因になればクライアントから多額の損害賠償を求められてもおかしくない。
そう思うと正直怖くてうっかり校正・校閲に手を出せないですよ。でもそれがわからない人も多いのかなぁ…
では回顧録の続きをどうぞ。
SEOには強いが記事の質を軽視するクライアントも多い
これは底辺パートタイムライターの私見だが……
多くのクライアントはグーグルの検索順位を上げるためのSEOの知識は豊富だが、文章表現に関する知識はほとんどない人も多い。
また、不確かな情報があふれるネット上から正確な一次情報を拾い出すことの重要性もわかっていない。
クライアントによっては著作権を平気で侵害するような指示を出す事もよくあり、指示を出されたこちらが面食らい、その指示を拒否、指示の変更を依頼せざるを得ないこともしばしばだ。
私も、ライターだけをやっていた時はそれがどれほど危険なことであるかわからなかった。
しかし、校正・校閲の仕事で人様の記事をチェックし、ライターさんが記事の根拠とする情報のソースがいかにいい加減であるかに気づいた。あるいは著作権違反の画像を使っていた、なんてこともしばしばある。
そのような、表に出したら大変な事になる誤りを見つけ、必要に応じて独自に確かな情報を探し出すのも校正・校閲者の仕事だ。
校正の重要性を知るクライアントは優秀な校正者を配置しているが数は少ない
その重要性を知るクライアントは、おそらく相応の報酬を出して優秀な校正者を配置している。私がライターとして仕事をしている複数の高単価案件のように。
だが、残念ながらそのようなクライアントは、少なくともクラウドソーシング上にはわずかしかいない。おそらく提示する報酬が少なすぎて本当に優秀な人はそっぽを向いてしまうのだろう。
で、私のような素人同然の人間にその役割が回ってくるわけだが、経験を重ねて人並みに校正・校閲がなんとかできるレベルになると、今度はあまりに労力に見合わない低すぎる報酬に頭を抱えることになる。
そして割に合わないその案件から手を引かざるを得ないのだ。
1記事数百円の単価ではもはやボランティアだ
こちらもボランティアではなく仕事でやっているので、労力に見合った報酬が必要不可欠だ。
ライターの仕事ならそれでもその労力に見合った報酬の仕事も数多くあるのだが、こと校正・校閲の仕事になると、どういうわけか1記事あたり500円前後が相場になっている。
何度も言うが、それでは本当に優秀な校正さんは集まらない。経費の問題もあろうが、そこは削ってはいけないところではないだろうか?
そんな釈然としない思いから、労力の割に報われない校正の仕事から一切手を引く事を考え始めた。
だからライティング案件に絞ろうと思った
ライターの案件ならば良心的な金額のものが数多くある。それにWebコンテンツのライティングが最近面白いので、そちらに本腰を入れてやってみようとも思った。
ただ、校正の仕事がライティングにも役立っていることは言うまでもない。僅かでもお金を頂いてとても良い勉強をさせてもらったと考えよう。
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